Ragtime Guitar

オムニバス形式のラグタイムギターアルバムを紹介します。これはKicking Mule(Stefan Grossmanのレーベル)から出ていたものでしょう。

  • “The Entertainer” Shanachie(98015/16)
    ラグタイムといえばScott Joplinですが、これは彼の作品ばかりを集めたアルバムです。プレイヤーはTon Van BergeykやDuck Baker、Dick Fegyといった面々で、それぞれのアプローチを楽しめます。
  • “Black Melodies on a Clear Afternoon” Shanachie(98011/12)
    このアルバムはかつての”How to Play Ragtime Guitar”とKicking Muleから出ていた様々なラグタイムギターのアルバムからの抜粋のようです。Ton Van Bergeykの”Silver Swan Rag”は絶品!
  • “Ragtime Guitar : Ten Classic Rags” EasyDisc(ED CD 7026)
    David LaibmanによるScott Joplin、Joseph Lambのクラシック・ラグ10曲を収めたアルバム。”The Entertainer”や”Black Melodies on a Clear Afternoon”でのアプローチと聴き比べてみるのも面白い。
  • “Ragtime Blues Guitar” Document(DOCD-5062)
    オーストリアでリリースされた1927年?1930年のラグタイム・ブルースの演奏を集めたオムニバスアルバム。Blind Blakeの未収録曲(1曲だけしかないのが残念)やあまり知られていないプレーヤーが含まれています。
  • “Finger Picking Rags&Other Delights” Kicking Mule(KMCD-3904-2,KM-123)
    Dale Millerの”G線上のアリア”から”Hey Jude”までの、もちろんラグタイムを含む全21曲。結構お買い得かもしれません。
  • “Guitar Music” Kicking Mule(KMCD-3906-2,KM-185)
    セゴビアからJoseph Spenceメドレーまで多彩な曲が目白押し。Tom Ballって名前は初めて知ったけど、うまさはなかなかのものです。

Fingerpicking Guitar

  • “Fingerpicking Guitar Delights” Shanachie(98013/14)
    バリエーションが楽しい一枚。様々な曲を様々なアレンジでどうぞ。
  • “Northern skies,Southern Blues” Shanachie(97026)
    Stefan GrossmanとDuck Bakerによる掛け合いが楽しめる。”Hot Dogs”でも演っていた曲の別アレンジがあったり、結構楽しめる内容になっています。
  • “The Art of Fingerstyle Guitar” Shanachie(98009/10)
    John RenbounやBert Janschといったアーティストの演奏も含まれており、まさにフィンガースタイルギターの神髄とでも言えるアルバム。Ry Cooderも演っていたバハマのギタリストJoseph Spenceの”Happy Meeting In Glory”も含まれています。この曲はJohon Renbournもボーカル付きで演っていますので、それぞれの演奏を聴き比べてみるのも面白いと思います。
  • “How to Play Blues Guitar” Shanachie(98001)
    かつて同名のレコードがありました。Ry Cooderも演っていたBlind Blakeの”Police Dog Blues”を最初に聞いたのがこのアルバムでした。
  • “Yazoo Basin Boogie” Shanachie(97013)
    Stefan Grossmanの初期のアルバム。演奏が若々しい。個人的には”Hot Dogs”の方が面白いと思うんですが、CDで手に入りません。
  • “The Art of Fingerstyle Jazz Guitar” Shanachie(98005/6)
    Stefan Grossman同様、フィンガースタイルのジャズギターの教則レコードやビデオを数多くリリースしているDuck Bakerのアルバム。ビデオで彼の演奏を見てみるとどうしてこんなことができるのかと思ってしまいます。アイデアに溢れる一枚。
  • “Irish Reels,Jigs,Airs and Hornpipes” Shanachie(97011)
    Duck BakerやDave Evansが弾く香り高いアイリッシュ・ミュージック。David Bromburgも演っていた”Sheebeg An Sheemore”もあります。
  • “Music of Ireland” Shanachie(97004)
    タイトルどおりアイリッシュ・ミュージックのアルバム。もちろんギターにアレンジされた曲ばかりです。
  • “Django Reinhardt” BMG(BVCJ-38021)
    ジャズギター界の鬼才ジャンゴ・ラインハルト。火傷によって左手の小指と薬指が使えなくなってもこんな演奏ができるのです。
  • “Black & Tan Fantasy” Shanachie(97018)
    とても繊細なプレイヤーであるTon Van Bergeykのソロアルバム。フィンガースタイルのギターを弾く方は必聴のアルバム。アメリカ(CDnow)でも手に入らなかったCDです(TABギタースクールにありました)。
  • “Under the Volcano” Kicking Mule(KMCD3910-2,KM-162)
    Stefan GrossmanとJohn Renbournの競演が聞き物。”Sheebeg and Sheemor”と”Billy in the Lowground”が入っていたから買ったという噂も。
  • “Of Rivers and Religion” Reprise(WPCR-10357)
    何気なしに入ったレコード屋で偶然見つけた一枚。John Faheyのアルバムは聴いたことがなかったので、ついつい買ってしまいました。不思議な雰囲気を持っています。
  • “Tokio Acoustic Blues” TAB(CD-1009)
    東京出張の折りに「はなさん」からいただきました。ご存じ打田十紀夫氏のアルバム。ジャケットの表はBlind Blake、裏はRev. Gary Davisだもんね。

Flat Picking Guitar

  • “Tone Poems” Acoustic Disc(ACD I0)
    David GrismanとTony Riceがビンテージもののマンドリンとギターを使って作った、それぞれの楽器を解説したブックレット付きアルバム。演奏の素晴らしさはいうまでもありませんが、よく聞くと二人の息づかいまで聞こえてきます。
  • “Stephane Grappelli/David Grisman Live” Warner Bros.(WPCE-1798)
    ジャズバイオリンの第一人者、ステファン・グラッペリを迎えてのライブ。71才のプレイとは思えないほどのスイング感は素晴らしい。
  • “The Vanguard Years” Vanguard(155/58-2)
    Vanguard時代のDoc Watsonのアルバムから抜粋した4枚組のアルバムです。彼の多才さが良くわかります。Clarence AshleyやGaither Carltonとの時代からClarence White、Merle Travis、息子のMerleとの競演まで結構楽しめます。
  • “Tone Poems II” Acoustic Disc(ACD 18)
    このコーナーの先頭で紹介している”Tone Poems”の第二弾。今回はMartin Taylorとの競演で、相変わらずの名器をふんだんに使ったブックレット付きアルバム。1918年製のGibsonのハープギターなんかもあります。ギター、マンドリンファンは必聴!
  • “Tone Poems III” Acoustic Disc(ACD 42)
    “Tone Poems”第三弾。スライドギターの名手Mike AuldridgeとBob Brozmanを迎え、相変わらずの名器をふんだんに使ったブックレット付きアルバム。
  • “The David Grisman Quintet” RHINO(R271468)
    David Grisman Quintetを初めて聞いた時の驚きは今も忘れられません。レコードでも持っていますが、かけるのが面倒くさいのでCDで入手しました。スピード感がたまらない。
  • “Hot Dawg” A&M(CD3292)
    ついつい買ってしまう。これも”The David Grisman Quintet”を聞いた後、次のリリースを待ちこがれて買った記憶があります。さすがに名手と呼ばれる人たちの演奏は違うもんです。
  • “My Own House” Fantasy(FCD-24752-2)
    David Brombergのアコースティック中心のアルバム。レコードは白黒のジャケットでしたが、CDでは紫色。ジャケットはあまり良くありませんが、演奏はどれも本当に素晴らしい!唄は味があるというしかないのですが…フラットピッキングだけでなく、フィンガーピッキングの曲もあります。

その他のCD

ここではギター以外のジャンルのCDを紹介します。ラグタイムやブルースを弾くための参考になると思います。

  • “Legendary Boogie Woogie Pianists” MCA(MVCE-24058)
    ラグタイムを演奏する際にもブギ・ウギは参考になるのではないでしょうか。ラグタイムも元を正せばピアノ音楽だったわけで、ダンス音楽としてのブギ・ウギの持つスイング感は大切だと思います。
  • “Jelly Roll Moton” RCA(BVCJ-38010)
    ラグタイムからジャズへの橋渡し役となった偉大なピアニスト。このCDではRy Cooderも取り上げていた”The Peals”など、彼の代表曲が収められています。
  • “Fats Waller” RCA(BVCJ-38008)
    “太っちょ”Wallerの代表曲が聞けます。彼は名演奏家であり、名作曲家であり、素晴らしいパフォーマーです。一聴をおすすめします。
  • “Uncle Charlie & His Dog Teddy” Liberty(CDP-0777-7-90430-2-6)
    Nitty Gritty Dirt Bandの名盤。トラディショナルからカントリー・ロックまでアメリカン・ミュージックを聴かせてくれます。
  • “The Best Of Tom Paxton” Elektra(R2 73515)
    “Last Thing On My Mind”、”Ramblin’ Boy”、”What Did You Learn In School Today”、”Goin’ To The Zoo”などTom Paxtonの代表曲を集めたベスト盤。1999年の新譜?です。
  • “Will The Circle Be Unbroken” EMI(CDPB 7 46589 1/2)
    Nitty Gritty Dirt Bandがブルーグラスの大物と競演した意欲作。Maybelle Carter、Earl Scraggs、Doc Watson、Roy Acuff、Merle Travis、Jimmy Martin、Vassar Clements、Norman Blakeが参加しています。レコードの時代は三枚組だったと思います。
  • “Crosby , Stills & Nash” Atlantic(AMCY-3156)
    高校2年の時に先輩から聞かされてオープンチューニングで弾かれる「青い目のジュディ」に参ってしまいました。今聞き直しても素晴らしいハーモニーには驚かされます。
  • “4 Way Street” Atlantic(AMCY-410,1)
    C.S.N.からC.S.N.&Y.になってのライブ盤。”Love The One You’re With”を人前でやった時にはオープンチューニングが知られていなかったこともあって、結構注目を集めまたことを思いだします。Neil Youngの”Cowgirl In The Sand”も必死でコピーしていました。D-45に憧れたのもこれからでした。
  • “Appalachia Waltz” Sony Records(SRCR 1654)
    名フィドルプレーヤーMark O’Connorがチェロの名手Yo-Yo Maと作ったアルバム。ベースにはEdgar Meyerが参加し、クラシックでもないトラディショナルを聞かせてくれます。
  • “Geoff Muldaur & Amos Garrett Live In Japan” ARCHIVES(YDCD-0048)
    ご存じの二人組の日本でのライブアルバム。1979年の録音でレコードではライブでの写真がジャケットに使われていましたが、CDではEric Von Schmidtのデザインが使われています。こちらの方が面白いと思います。このFishin’ Bluesを聞いてやってみたくて堪らなかったことを思い出しました。

Mississippi John Hurt

洗練されたオルタネートベースに美しいメロディーラインを重ねた奏法と暖かみのある歌声。彼のギターに影響されたギタリストは数多く、彼の人間性もあって多くのファンを持っています。

  • “Today!” Vanguard(VMD-79220)
    彼のフィンガーピッキングの完成度の高さがわかる名盤。
  • “The Immortal” Vanguard(VMD-79248)
    日本で発売された2枚組レコードは”Today!”とこのアルバムを組み合わせたものでした。
  • “Memorial Anthology” edsel(EDCD446)
    プレイは少々荒いところがありますが、なんと言ってもピートシーガーによるインタビューが魅力。彼の笑い声や口癖がわかったり、レドベリーの名前が出てきたりします。ピートの奥さん(日系人でトシという名前)も出てきます。たぶんピートシーガーのテレビ番組からの収録ではないかと思うのですが。
  • “The Best of Mississippi John Hurt” Vanguard(VCD-19/20)
    ライブアルバム。かつてレコードで出ていたときは2枚組でした。最後の”You Are My Sunshine”は観客と一緒に…
  • “Last Sessions” Vanguard(VMD-79327)
    Vanguardから出たスタジオ録音もの。”Today !”や”The Immortal”等と同じ時の録音のような気がします。ミスタッチがあったり、歌い終わった後で小声で話をしているのが聞こえたりします。
  • “Live !” Columbia River Entertainment Group(CRG 120007)
    1965年のOberlin大学でのライブ版。ミスタッチが多いのもご愛敬。それにしてもこんなレーベルは聞いたことがないのですが。

Rev. Gary Davis

驚くべきテクニックとドライブ感が素晴らしい。Stefan Grossmanが師と仰ぐブルースマン。ギターテクニックが有名ですが、しわがれたボーカルもなかなかのものではないでしょうか。

  • “From Blues to Gospel” Biograph(BCD123)
    レバレンドの名に恥じない一枚。ギターワークもさることながら、しわがれたボーカルが素晴らしい。
  • “O,Glory” Genes(GCD9908)
    ゴスペルを集めた一枚。”Slippin’ Til’ My Gal Get In”はStefan Grossmanと話をしながらのインストです。そのほかにもピアノやバンジョーを弾いている曲も含まれています。タイトルになっている”O,Glory”は素晴らしい!
  • “Blues & Ragtime” Shanachie(97024)
    ラグタイムギターファン必聴のオムニバスアルバム。Stefan GrossmanによるTAB譜もついています。日本ではP-VINEからPCD-3109で出ています。これをツーフィンガーで弾けますか?
  • “Say No To The Devils” Prestige/Bluesville(BV-1049)
    1961年、Davisが65才の時の録音です。
  • “I Am A True Vine” Heritage(HT CD 07)
    1962年から1963年にかけてStefan Grossmanによって録音されたアルバム。ジャケットでは6弦バンジョーを弾いている姿(サングラスもかけていない!)を見ることができます。バックコーラスやサイドギターが入っている曲があり、かなり白人ぽい音になっていますが、それなりにこなしてしまうのもDavisならではないでしょうか?
  • “At Newport” Vanguard(VMD73008)
    1965年のニューポート・フォークフェスティバルでのライブ盤。70才にもなろうかとする人間のプレイとは思えない。”Somson And Delilah”のパワー、”You Got To Move”の縦横無尽さ、”Twelve Gates To The City”の色っぽさ、”I Will Do My Last Singing In This Land Somewhere”の優しさ…ストリートシンガーDavisを堪能できます。
  • “Pure Religions and Bad Company” Folkways(SF40035)
    このアルバムに収録された”Candy Man”は他のどの演奏よりも美しい。
  • “At The Sign Of The Sun” Heritage(HT CD 03)
    “When The Saints Go Marching In”は聞きものです。
  • “Live & Kickin'” Justin Time(JAM9133-2)
    1967年のカナダでのライブアルバム。 録音状態が良くないのは惜しまれます。語りの部分も含まれ、これはこれで味のあるアルバムになっています。”Maple Leaf Rag”はDavis調で。
  • “Harlem Street Singer” Prestige/Bluesville(OBCCD-547-2)
    Davisに一番よく使うキーを尋ねると、”I play all over the guitar !”と答えたそうです。このアルバムでは彼の「聖なるブルース」を楽しめます。
  • “The Complete Eary Recordings” Yazoo(2011)
    1935年、彼が39才の時の演奏が聴けます。ギターや唄に荒削りなところがありますが、往年の演奏を彷彿とさせるものもあります。 年を追う毎に磨きがかかっていった演奏を聴き直すと彼のすごさが良くわかります。

Blind Blake

独特のベースワークは誰にも真似ができない。オールマイティなギタリストであり、様々な形でレコーディングを行っています。

  • “King of the Blues” P-Vine(PCD-2253)
  • “Southbound Rag” P-Vine(PCD-2436)
  • “The Complete Recordings” P-Vine(PCD-5721)

Robert Johnson

艶のあるボーカルとスライドギターが素晴らしい。ここで紹介するアルバムが彼の全てです。以前にどこかのFM局の放送で彼の代表曲である”Come on in My Kitchin”をかけて、訳の分からないコメントをしていたアナウンサーがいましたけど…。

  • “The Complete Recordings” CBS Sony(CSCS5320/1)
    レコードの時代には2枚しかレコードがなかったと思います。これは彼の全ての録音を収録したもので、まさに完全版と言えます。欲を言えばジャケットはレコードに使われていたものを使って欲しかったと思います。 あのジャケットは本当に素晴らしいものだと思うのですが…

Other Blues Guitarist

  • “Good Time Tonight” CBS/SONY(CBCS5325)
    クラプトンが”Unpluged”で”Hey,Hey”を取り上げていましたが、その洗練されたギターワークは一聴の価値があります。
  • “Bluesville-Prestige Singles Collection” P-Vine(PVCP-8179)
    『稲妻の』テキサス・ブルースマン、Lightnin’ Hopkinsのシングルを集めたコレクション。1960年?64年の録音です。
  • “The Blues:1927-1946″ BMG(BVCP-8733?34)
    「RCAブルースの古典」という邦題で出ていたものです。初期のカントリーブルース、メンフィス・ブルース、ジャグ・バンド、ミシシッピ・ブルース、ピアノ・ブルース、シティ・ブルース等、非常に面白いコレクションアルバムです。
  • “Live-1971″ P-Vine(PVCP-8722)
    エレクトリック・スライドが唸るMuddy Watersのライブアルバム。野太いブルースもたまにはいいかも。
  • “Brownie McGhee 1944-1955″ Travelin’ Man(TM CD 04)
    1944年?1955年の演奏を集めたアルバム。ハーモニカのSony Terryとのコンビが有名ですが、ここでは様々な形での演奏が収められています。
  • “Sweeter As The Year Go By” Yazoo(1078)
    Ry Cooderにも大きな影響を与えたBlind Willie Johnsonのアルバム。独特の歌声と歯切れの良いスライドギターで唄われるゴスペルは格別。
  • “The Bill Broonzy Story” Verve(314 547 555-2)
    ご存じ、Big Billの三枚組CD。曲の間に本人の説明が入っています。1957年の録音。

Joseph Spence

独特の世界を持つバハマの非常にメロディアスなギタリスト。一種の宗教音楽なのですが、Ry CooderやJohon Renbourn等のギタリストが彼の曲を数多く取り上げています。

  • “The Complete Folways Recordingd” Folkways(CD SF 40066)
    1958年のFolkwaysでのアルバム。Ry Cooderはよほどこのギタリストが好きなのか、このアルバムの中から3曲も自分のアルバムに取り上げています。”Since I Lay My Burden Down”をMississippi John Hurtのものと聞き比べるのも面白い。
  • “Living On The Hallelujah Side” ROUNDER(2021)
    この人が演ると全てがSpence節になってしまう。アルバムのライナーにRy Cooderの次のようなコメントがあります。「子供の時に彼を聞いた時からすべてが始まったんだ。彼はインスピレーションを与えてくれる偉大な存在だったし、そのベースランは想像を超えていた。僕はいつも夢中だった。」この言葉が示すとおり、Ryのスタイルに大きな影響を与えていることは間違いがないでしょう。
  • “Glory” ROUNDER(2096)
    Pinder Familyとのリラックスした演奏が魅力。アルバムタイトルどおり、スピリチュアル色の濃いアルバムです。一曲だけですがピアノも弾いています。
  • “and The Pinder Family” ROUNDER(2114)
    ギターが全面に出てくるアルバムではありませんが、Pinder Familyのボーカルに絡む独特のカウンターメロディーは一聴の価値があります。Pinder Familyの荒削りなボーカルも魅力です。
  • “Bahamian Guitarist” Arhoolie(CD-349)
    「空港のゲートで別れを告げたとき、Spenceはナッソーにも来てくれといった。『OK』とラリーは笑いながら答えた。『でもJoseph、俺達がそこに行けばよそ者なんだぜ。』、『そうさな』Spenceは一瞬彼を見つめて答えた。『でも友達が一人いるだろ。』」このアルバムでは借り物のD-18を弾いています。自分の耳だけを頼りに、ドロップトD(DADGBE)にチューニングするようです。後半はライブからの収録。

Leon Redbone

不思議な世界を持つギタリスト。巧いか下手かは別にして、個人的に彼のファンなので掲載しました。決して彼のマウス・トランペットに心酔しているわけではありません。Ry Cooderもファンだそうですよ。

  • “On The Track” Warner Bros.(2888-2)
  • “Double Time” Warner Bros.(2971-1)
    “Diddy Wa Diddie”が含まれています。これを聞きたかったがためにレコード(当時)を買ったという話も。
  • “Champagne Charie” Warner Bros.(3165+2)
    Ry Cooderが”Jazz”の中で取り上げていた”Big Bad Bill Is Sweet William Now”が含まれています。雰囲気はこちらの方が上だと思うのですが…
  • “Up A Lazy River” Private(01005-82095-2)
    年と共にだんだんアクの強さが減ってきたようで、寂しい感じがします。それでも聴かせるところはちゃんと押さえてくれます。

憂歌団

内田勘太郎のスライドギター、木村秀勝の「天使のダミ声」。何とも言えない絶妙のバランスが魅力です。

  • “憂歌団” TDK(TDCD-1041)
    ご存じ憂歌団のファーストアルバム。音は若干荒いのですが、パワーを感じさせてくれます。内田勘太郎のスライドギター、「天使のダミ声」も健在。
  • “Blues” TDK(TDCD-1031)
    様々なBluesを集めたアルバム。憂歌団のルーツといったところでしょうか。
  • “生聞59分” TDK(TDCD-1043)
    憂歌団のパワフルなライブアルバム。「君といつまでも」も憂歌団にかかると…。
  • “Acoustic Selection” For Life(FLCF-3546)
    83年から85年にかけてリリースされたアルバムからアコースティック・ナンバーをセレクトしたアルバム。
  • “流行歌(HAYARIUTA)” 東芝EMI(TOCT-9943)
    憂歌団のボーカル木村秀勝のソロアルバム。ジャンルを超えていますが、昔の流行歌の幅の広さを思い知らされます。
  • “Good Time’s Rollin'” For Life(FLCF-30080)
    かつての憂歌団独特の雰囲気が和らいで、アルバムとしてはまとまったものになっています。アクの強さを期待すると裏切られるかも…
  • “Tears In Heaven” ComCS Music(JSM-00002)
    Jeff Sato(良く知らないのですけど)と内田勘太郎にピアノを加えてクラプトンの曲を集めた1枚。多少荒削りなところもありますが、面白い試みではありますね。

日本のギタリスト

日本でも昔からのフリークはいたようで、Mississippi John Hurtのスタイルを受け継いでいるのが高田渡でしょう。その影響からか、加川良や彼が参加していた「武蔵野タンポポ団」などの曲にも、日本語バージョンと言えるような曲がたくさんあります。

  • “ごあいさつ” King(KICS8119)
    高田渡のファーストアルバムです。代表曲の「コーヒーブルース」はMississippi John Hurtの”Coffee Blues”からの歌詞が使われていたりします。ギターワークは全面には出てきませんが、よく聞くと、しっかりしたJohnスタイルのフィンガーピッキングが使われてることがわかります。
  • “石” King(KICS8121)
    高田渡のセカンドアルバムです。フィンガーピッキングで特に目立ったものはありませんが、マンドリンのデュエットで演奏される「丘を越えて」は出色のできだと思うのですが…このアルバムでは私も大好きな山之口貘の詩がたくさん使われています。
  • “系図” King(KICS8120)
    高田渡のサードアルバム。「69」は”My Creole Bell”、「酒」は”Great Dream From Heaven”、「ミミズのうた」は”Avalon Blues”がベースになっているようです。
  • “教訓” Kitty Records(H20K25033)
    加川良のファーストアルバムです。「夜明け」はまさしく”My Creole Bell”そのもので、ギターワークもJohnのものです。
  • “武蔵野タンポポ団の伝説” King(KICS8111)
    「長屋の路地」は飴売りの歌なのですが、これは”Candy Man”であり、解説にはJohn Hurtの云々と書かれていますが、このバージョンはRev. Gary Davisのものです。
  • “ぼちぼちいこか” Burbon(TKCA-70397)
    上田正樹と有山淳司のアコースティックブルース。これでブルース、ラグタイムギターを始めた方も多いようです。有山が様々なテクニックを使っていることがよくわかります。構成もシンプルでわかりやすい。